「・・・
 あの、お兄ちゃんを殺した
 男がどんな奴か一目見たろ
 思って近づいてみたけど
 
 ヤクザやったとは思えへん程
 腑抜けた男で、田舎町が
 よう、似あってたわ」

「腑抜け、ははっ・・・
 
 お前はアホやない、兄貴を
 殺した男と、どうこうなる
 訳無いかぁ

 どうこうなりでもしたら
 神前組の連中が黙ってへん
 セキガミを放っておかんと
 地獄の果てまで追い詰めて
 必ず殺る

 親汚されて、怒らん子は
 居らん」

一新の瞳は、本気やった。

怖い・・・

「イッシン、もう、放して」

「死ぬほど、心配したんやぞ
 キスぐらいくれや
 
 お前から」

私は、背伸びをして一新の
唇に口づけた。

止まらない口づけ