「セキガミ・・・
 彼にですか?」

「そう、カレー

 ほんまは、昨夜もカレー
 やってんけど・・・
 ゲンの好きな食べもん
 私、他に知らんから
 最後に・・・
 
 でも、食べてくれるか
 分からんね」

「彼と一緒に食べたら
 どないですか?
 
 私は、もう一度
 出直して来ます」

火を消す、千景。

「アホ、気使わんとき
 
 最後の晩餐は
 昨夜、済ませた
 
 はよ話して、帰ろう」

「二代目、ほんまに・・・」

「タスク、決めたんは私や
 ・・・ありがとう」

潤む瞳で、祐を見つめると
祐は、深く頭を下げた。