私が零士に近付き、抱き上げようとすると、勇士が零士を抱っこした。



「触らないでよ――ッ!!」



勇士の腕を掴み、泣き叫ぶ零士を奪おうとすると、勇士は背を向けた。



「パパだぞー?(笑)」



私は怒りで唇をワナワナと震わせる。



「零士のパパは、貴方じゃないわよ!」



そんな私の代わりに、好子さんは勇士に怒る。

好子さんに「零士!パパはどこかな?」と言われた零士は、ちゃんとわかってるのかは不明だが、聖に腕を伸ばした。



「…ふっ。(笑)
やっぱ、零士は可愛い息子だな」



聖は勇士を鼻で笑うと、零士を抱き上げた。