「翔ちゃんは本当にママだね」



春風さんは、タオルの位置を調節しながら笑う。

私は「外では“翔子”にして下さい」と頼み、外で待つ好子さんの元へと急ぐ。



「だったら俺も、聖にして」



後ろから春風さんに言われて、私は足を止めた。



「それはー…」



少し抵抗感があった。

けど、春風さん…聖さんは「決まり」と、言った。

私は「わかりました」と返し、聖さんのマネージャーさん、三吉ーミヨシーさんの車に乗り込んだ。

助手席には好子さんが座りながら、「マスコミに注意をお願いしますね」と言う。