私の中に眠ってた、モデルの潜在能力を、春風さんが導き出してくれてる気がした。

芝生に座れば、春風さんが私の足に頭を預けたり、2人で空を見上げて、撮影は無事に終了。

私は「お疲れ様でした」と、みんなに声を掛け、零士に駆け寄った。



「パッパ!パパパラ!」



すると、零士が春風さんを指差して叫んだ。

私は零士に「パパパラ?」と聞き返す。



「うぉー!パパって呼んだ!」



スタイリストさんと話してた春風さんが私たちに駆け寄って来た。

…“パパ”ではかいかと…。

そう思ったけど、私は口に出す事が出来なかった。

春風さんが、嬉しそうに零士を抱き上げたから。