立ち上がり、首を振っただけの反応の私に、春風さんは、自分のサングラスを、私に掛けた。

メンズ用は私にはデカく、少し垂れる。

上目で春風さんを見上げると、またカシャッと聞こえた。

安藤さんは「本当のカップル見たいだよ」と言って、モニターへ確認しに行く。

春風さんは零士を私に抱かせると、黒いポロシャツの襟元を直し、カーキのパンツに通したベルトを緩めた。



「初対面で一発OKは凄いよ!
翔ちゃんのクールさも、コンセプトにピッタリだ」



私は安藤さんに「あ…ありがとうございます;;」と返しながら、零士を好子さんに預けた。