零士と煉瓦で作られた噴水の枠に座り、撮影を待ってると、撮影用か自前かはわからないサングラスを頭に乗せた、春風さんが現れた。

零士を挟むように座ると、零士を膝に座らせ、スタッフさんに手を上げた。

訳がわからない中、私は春風さんの洋服を引っ張る零士の手を掴み、「ダーメ」と、笑って注意。

その瞬間、カシャッと聴こえ、私は「―――へっ?」と、顔を上げた。

カメラマンの安藤さんが近付いて来る。



「翔ちゃん、自然体の笑顔、なかなか良いよー」



安藤さんは満足そうな顔で、カメラを持つ手を、軽く上げた。