私は、慎也に会長をやってほしいと思った。
 慎也は男子の中では、しっかりしているからだ。
 慎也が好きというわけではない。

 きっと、慎也を好きになることはない。と思っていた。

 話し合いが終わったみたいだ。
「会長誰?」
「はい」

 ……慎也。
 慎也が、会長?
 何でだろう。嬉しい。
 
 さっきから、胸のドキドキが止まらない。

 胸のドキドキが止まらないまま、学活の時間は終わった。

「咲月」

 ――ドクン。
 ――ドクン。
 ――ドクン。

 慎也に名前を呼ばれた。
 それだけでドキドキするなんて、私、おかしい。

「な、何?」
「あのさ、会長って何すんの?」
 何すんのって言われても……。
「中央委員会と学年委員会にでるの」
「中央委員会と学年委員会ってお前らもでんの?」
「中央委員会は会長だけで、学年委員会は会長と副会長がでる」
 慎也と話してるだけなのに、こんなにドキドキするなんて……。
「ふ~ん」
 私、何でドキドキしてるんだろう。