「8」

 「8」だったんだ。
 自分でも信じられなかった。
 本当に「8」を引くなんて。

 席を移動した。
 私の左隣は変わらず慎也。
 そして、後ろも変わらず未来。
 最悪だよ。
 でも、慎也が左隣にいるから嬉しい。

「またお前が隣かよ~」
 慎也は下を向いてるから表情が分からないけど、嬉しい。
 少し離れてるけど、これでも隣って思ってくれるんだね。
 私、慎也の右隣でよかったよ。
 だって、いつも通路側に足出してるでしょ?
 それだけで、私は嬉しいんだ。
 慎也の癖ってことは分かってるけどね。