外周かぁ。
 別に嫌いじゃない。
 なんか今日はやる気が出ない。
「吉田ー!」
「何ー?」
 バスケ部部長の田中先輩。
 先輩なのに敬語を使ってないが、それでも怒られない。男子は。女子は怒られるらしい。
「お前、好きな人いんの?」
 す、好きな人!!?
「何すか、いきなり」
「なんとなく」
 田中先輩に話したら少しは楽になんのかな?
 そう思って、田中先輩に、咲月が好きなこと、今日の出来事を話した。

「普通、そんなに真面目に答えるかぁ?俺はただ、好きな人いるかいないかを聞いただけだぜ?」
 あ、そうだった。
「その子、吉田のこと好きなんじゃね?」
 はい?
 今、何て……。
「何でそう思うの?」
「だって、バラすって言って、その子は寂しそうな目をしたんだろ?お前にそれを言われたくなかったんじゃねぇの?」
 そうなのかな?
 もしそれが本当だとしたら、俺は咲月に悪いことをした。
「だから謝って、その子に告白しちゃえよ」
 こ、こ、こ、告白!!?
 無理無理無理。絶対無理!!!
 でも、ちゃんとに謝ろう。
 でも、咲月が俺のこと好きなわけないよな。
 咲月は秀介が好きなんだよな。
 だって、あの反応は本当っぽいし。
 咲月は、嘘つくの下手だから、すげぇ分かりやすいんだよな。