【咲月side】

 もう卒業かぁ。
 早かったなぁ。
「咲月!!」
 久しぶりに聞く声。
 ……慎也。
 この時、嬉しいのと辛い感情があふれてきた。
 慎也の近くに行く。
 近くで慎也を見るの、久しぶりだな。
「何?」
「はい」
 慎也から、白い紙を渡された。
「手紙?」
 そう、手紙だったんだ。
「うん。じゃ」
 慎也は行ってしまった。

「並んでー」
 もう並ばなきゃ!
 私は急いで慎也からもらった手紙を制服のポケットにしまった。

 卒業式。 
 私は黙って校長のつまらない話を聞いてる。

「卒業生、退場」
 やっと終わる。
 あんまり泣けなかった。
 私の心がモヤモヤしてて、このまま卒業しちゃっていいのかなって、思って……。

 3年生の見送りがあるから、外に出る。
 外にはたくさんの後輩。
 後輩にもお世話になったな。