「あ…」
俺は玄関口まで足を運ばせ、扉を勢いよく開けた。
外は冷たい風が吹いており、全身を震わせた。
しかし、ここは我慢だ。
『今すぐ家に帰れ!!!!!』
「…冗談じゃん?」
そう言うと、夕緋は一夏からメモ用紙を奪おうと力づくの行動に出る。
反抗しようとメモ用紙を掴む手を上げ、高い位置にやっても、たかが知れてる
そんなの夕緋にとったら朝飯前だ。
「残念。これは僕のものだから君には渡せない」
一夏の背後から奪ったそれをさらに高い位置にまで上げる。
流石に今回は一夏の敗北だった。
『俺があげたんだろーが、ばーか』
夕緋はくすりと笑うと、一夏に自分の体重をあずけた。
思わず、一夏はふらつきそうになったがそれに耐える。
『おわっ!?危ねぇ』
「一夏はツンデレさんだね」