放課後になると雪はすぐにスタジオに向かった。
私は帰る用意をするために鞄に教科書をしまう。
あれ・・・。
・・・・ない。
「どうしよう・・・」
アレ、一枚しかないのに・・・。
♪~♪~
「?知らない番号。・・・」
通話ボタンを押すと女の声が聞こえてきた。
『あんたの大事なモン、今あたし達が持ってるんだけど、どうしてほしい?』
「返してくれると嬉しいかな」
やっぱり盗られてたか・・・。
『簡単に返すと思ってんの?』
「まったく。だって心荒んでるんだもんね」
『ムカつく・・・。返してほしかったら裏庭に来な。もしかしたら返してあげるかもよ。じゃあ』
女はそれだけ言って電話を切った。