通学路に咲く無数の桜に目を奪われる。満開のときも大好きだけど今みたいに散っていく桜も綺麗で大好きだ。
まもなく学校が見えてきた。海里ってばもう校門の中に入ってる。
え!あの隣にいるかわい子ちゃんはだれ?!まさか彼女?彼女しかないよね。あ、手繋いでる。
まさか弟に先越されるとは…。わたしなんてキスどころか手さえ繋いだことないのに。
「悠里、おはよ!」
「さえ!久しぶりだね」
さえに会うのは終業式以来だった。春休みには色々あったし報告しといたほうがいいかな。
「おばさんらしいね」
これが一通り説明したあとのさえの感想だった。
よく家に泊まりに来ていただけある。さえはお母さんとも仲が良かったからこの言葉が出たんだろう。
近況報告も済んだことだし今日の目玉を見に行きますか。新学年の初日と言えばクラス替え!これだけを楽しみに来たって言っても過言じゃない。
2年のときはさえと離れちゃったし今年こそ一緒のクラスだといいな。なんて願いを胸に抱き、張り出されたクラス表に視線をやった。