「よろしくお願いします!」

引っ越し業者に挨拶をしてできる限り手伝った。

お昼くらいに引っ越しは終わり、わたし達が住むマンションへとやってきた。

「は~…先行きが不安だ…」

「そう?わたしはなんかワクワクするけど」

「姉ちゃんは能天気でいいよな。俺なんてナイーブだから…」

能天気って失礼だな。まぁ我ながら前向きだな~なんて思っていたけど。

ぶつぶつうるさい海里を引き連れて鍵を片手に階段を上る。

302号室の前へとやってきた。2LDKの新しい我が家。新生活を送るには申し分ない。

期待に胸を膨らませてドアを開けた。