……おい!!
なんでやねん!
関西人じゃないのに思わず関西弁使っちゃったじゃない。
お母さんとお父さんが仲良いのは知ってたけど普通子供を置いて出ていく?…結婚20年目になるのにお父さんラブなあのお母さんなら有り得るか。
「…ぐすっ」
「あんたが泣いてるからなにかあったのかと思ったじゃない。男のくせに泣きやみなさいよ」
「母さんがいないと飯食えねぇじゃん…」
海里ってばご飯の心配して泣くなんて強がってるけどやっぱりまだまだ子供だな。我が弟ながら可愛い。
「なに言ってんの!わたしがいるでしょ」
「……うわあぁぁ!母さん帰ってきてよー!腹壊して死んじまうよー!!」
わたしの言葉を聞いてさらに涙を流す海里。なんて失礼極まりない。
なんなのよ、ご飯くらい作れるんだから。
「ちょっと待ってなさい!とびきり美味しい晩御飯作ってあげるから!」
腕まくりをしながらキッチンへと向かう。わたしの後ろを不安そうにクロがついてきていた。