「担任になった立花 大和(タチバナ ヤマト)だ。1年間よろしくな」

軽く挨拶をすると出席を取り出した。

そう言えばわたしの前の席、誰も座ってない。誰なんだろ?

黒板には「中原」と書かれていた。

なんか聞いたことあるようなないような。あ、お隣さんと同じ苗字だ。偶然だなぁ。でもこの学年に中原って人いたかな?

ガラッ

「あの…まだっすか」

「そういや転校生いたんだった。すまんな。中原」

え?え?ええ!?

「えぇえ!?!」

思わず大きな声を出してしまった。

わたしにみんなの視線が注がれる。その中にはもちろんあの人の視線も混じっていて…

目が合った瞬間、なぜか胸が高鳴り顔が真っ赤に染まるのがわかった。

「なんだ。神楽、中原と知り合いだったのか」

「いやっその…知り合いって言うか」

ただのお隣です…しかも一度しか会ったことないです。