誰に向けるわけでもない挨拶。

でも、わたしはわかってる。

これが本当は誰に向かって直接、言いたかったのか。


それだけじゃなくて。


この胸に秘めていた想いも伝えたかったのか。

想いは全て破り捨てたはずなんだけど。


……無理だよね、やっぱり。

だって一欠片、拾っちゃったもん。


降参を表すように苦笑を零し、風にゆるゆる靡く髪を撫でた。




あー…会いたいなぁ。