なんとなく湧き上がった衝動に駆られて窓の鍵をカチャンと外した。 ガラス窓をそっと開けると、ふわりと優しい風が頬を撫でる。 「……気持ちいい…」 こんなにゆっくり朝の風景を見たのは初めてかもしれない。 普段は気にも留めない、なんてことない景色。 ついベランダにまで足を運び、うーんと大きく伸びをした。 吸い込んだ空気さえ美味しく感じて思わず笑ってしまった。