それを聞いた僕は父親にはなにもかもお見通しなんだなと思った。


そして父親のとなりに寝っころがり一言

「うん」


と答えたのだった。


「そんなこともあったけか」


僕はつぶやいた。


いつの間にか夕暮れになっていて、秋の冷たい風が僕の横を通り抜けた。



僕は父親に見放されたのをいいことに遊びまくっていたが、意外に寂しいものである。


いまさら気付いたって意味はないのだが・・・




人間とは皮肉なものである。



普段は気付かない幸せはそれがなくなるとそれが幸せだったことに気づくんだ。



もう後戻りはできない。