電話越しでのやりとり、二人しかこの会話をしらない。






そんなことに、お互い優越感を感じていた。






聖にとって、美里は繁華街一の有名キャバ嬢。






そんな、美里と話せることだけでも、嬉しかったのに、プライベートでも、こうして話せる。






こんな、貴重なことは無かった。






「美里さん、今暇ですか?」






突然の誘い、戸惑い、時計を見てしまう。






「家にはいるけど、もう寝るつもり…どうして?」






「あっ、いや、星がスゲー綺麗だから、一緒に眺めてたいと思っただけっす」






美里は、自分の部屋のベランダへ行き、外へでて、空を見上げた。






「わぁ、本当に綺麗…」






久しぶりに、空を見上げた美里は、澄んだ気持ちになった。






仕事の悪い出来事も、この星空と聖の声で洗われた。