「あっ!美里さん?良かった。間違ってなかった」






聖は元気な声で言った。






美里は安堵した。そして、夜会ったときと少し違う、電話越しの聖の声が耳元で聞こえることに、また少し、緊張した。






「あのねぇ、初めははちゃんと名乗りなさいよね」






強がる言葉しかでてこない。






「あっ、ごめんなさい」






聖は少し、反省したように、声のトーンを下げた。






そんな、素直な聖の反応が可愛かった。






「素直な子ね、不思議だわ」






「不思議?何がですか?僕がですか?」






今度は、少し慌てた様子で話す。






美里は、堪えきれず笑った。