そのチラシを見つめ、涼子は少し怯んだ。






それは…






「キャバクラって…」






涼子の怯んだ顔にも動じることない美里、飄々とした表情で話をする。






「私たちも、高三だよ?大人ね世界知っといて損はないんじゃない?」






「まあ、確かに…でも、抵抗はないの?お母さんと同じ職業じゃない」






そう、美里は母親を軽蔑していた。






そんな美里が、母親と同じ職業に興味をもつことが不思議だった。






「そうねぇ、ただ、私なら上手く男を操れる気がするの」






美里は意外に真面目な顔でつぶやいた。






「つまり、お母さんより優れた接客ができるか試したいってこと?」






美里と入学式からの付き合いだ、涼子は美里の考えは言われなくても理解できた。






母親に敵意を持っていることも…