「ねぇ、涼子、明日一緒に学校サボろうよ」
いつもは一人で勝手にサボる美里だが、珍しく涼子にも声をかけた。
「サボるって…私を誘うなんて珍しいわね。何かあるの?」
涼子は、まんざらでもなかった。学校も家庭でも息がつまりそうな生活。
そこから抜け出させてくれるのは、美里しかいないと思った。
「実はさ、私、バイトしようと思って」
美里の誘いで、普通のバイトなわけがないと察した。
「バイトねぇ、暇だからいいけど、何したいの?」
涼子が断らないことを、始めから解っていた美里は、怪しい笑みを浮かべて、あるチラシを見せた。