季節は春。
暖かい日差しがあたしを優しく包む。
眩しいほどの光に目を細めながら、あたしは部屋のベッドに横たわっていた。
「……眠…」
気持ちよくうたた寝し始めたが、あっさり邪魔されてしまう。
「ったく、呑気だな」
見上げると、雫があたしの顔を覗き込んでいた。
「…邪魔しないで。近付かないで」
「邪魔なんかしてねーよ。お前は会話と独り言の区別もつかねーのかよ」
「うるさい。寝れないじゃん…」
「寝なくていい。ほら、涙人について知りたいんだろ?」
「~っ…」
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