膝を抱えて座り込むあたしの前には、あたしと同い年ぐらいの男の子。
細くて折れそうなくらいの綺麗な明るい茶色の髪。
そして何より、吸い込まれてしまいそうな、焦げ茶色の瞳。
「…何なの……?」
あたしは、違和感を感じた。
見た目は人間なんだけど… 絶対にこんな人がこの世に存在するはずがない、そんな感じ。
人間離れしてるって言うの?
「ちょっ… 何、勝手に人の家に入ってんの!? …てかさ、あんた…誰なの?」
いきなり人が現れた事に驚いて、後ずさりしたあたしをそいつは見つめ、笑った。
「…………ピッタリだな」
「……は?」
初めて聞いた声は、少し低め。 だけど、透き通ったような響きを持っていた。