体を起こしベッドに腰掛けると、雫があたしの隣にやってきた。


「!?」


…………重みがない。


雫がベッドに座った時、何も感じなかった。


何者なの、こいつ………


あたしがまじまじと顔を見つめていると、雫が意地悪く笑った。


「どうした?」


“麗……”


「やっ……!!」


突然、耳元で名前を囁かれ、あたしは思わずドキッとしてしまった。


「………ふっ。バーカ、何ドキドキしてんだよ」

「はあっ!? してないしっ」

「本当、素直じゃないよなぁー…」


そう言うと、雫はどこか遠くを見つめ、少しずつ話し始めた。