「つい最近来たような感覚だな…」


一人、チケットを買ってあの時二人で座った席に座った。

もちろん、隣に夢月はいない。


『…オリオン座…冬の星だね』


オリオン座…。あいつ…楽しそうに話してたな。


『あれだよ。真ん中に三つ星が並んでるでしょ』


自分でも探してみる。夢月と見た星を……。


こんなにも星は沢山あったのか……。


あいつが星になるなら、俺は必ず見つけ出そう。


あの時…あいつを見つけたように…。


上映が終わって席を立つと、ここの館長であるじいさんが話しかけてきた。


「…君宛てに手紙を預かってるよ」

「…これは………」


黄色い無地の封筒。夢月からの手紙だ。


「なぜ俺だとわかったんですか?」

「あの席に座った男の人に渡してほしいと言われてね」


「…そうですか…どうも…」


手紙を受け取りプラネタリウムを後にした。


外に出れば外は真っ暗だった。


「…今日は良く見える…」


散りばめられた星達…。夢月…お前は何処にいる…?