「………………倉庫…」


そんな…好き好んで住もうとは思はないよね…普通。その前に、住む所じゃないんじゃ……。一体どんな生活をしてきたんだろう…。


「…夢月が考えてるような倉庫じゃないのは確かだ」


倉庫に住む蓮さんのこれからを心配していると、眉間にシワを寄せながら蓮さんは言い放った。


「えっ!?な、何で……」

何で分かったんだろう…。あたしは蓮さんの顔をじっと見つめた。


蓮さん…エスパー…?


「……夢月の考えはだいたい読める。顔に書いてあるからな」

あたしの顔がいけないのかっ!!

慌てて自分の顔を両手でペタペタと触る。すると、蓮さんは面白いモノを見るかのように笑い始めた。


「…くくっ…お前は本当に…変な女だな……」


蓮さんの手が、あたしの頭に触れる。それからポンポンと優しく撫でた。


変なのは、蓮さんも同じだと思うのはあたしだけなのかな…。


「…これはいい拾い物をした」


あたしを見ながら、蓮さんは笑う。蓮さんの言葉は、あたしの耳には届かないほど小さなものだった。


「…蓮さん?」


蓮さんが何か言ったような気がしたから聞き返してみたけど、何でもないと言われてしまった。