「だから…俺からも離れたのか…?」

「…あっ…」


蓮さんは悲しんでいるような、怒っているような…とにかく色んな感情が入り混じったような瞳であたしを見ていた。


「…お前は俺から離れていくのか…?」

「……それは……」


あたしは蓮さんが好き。でも、その気持ちに素直に従うなんて事は出来ない。


「…蓮さん…。蓮さんにはあたしなんかよりずっとずっと…素敵な人と結ばれてほしいんです。あと1ヶ月しか生きられないあたしなんかといるより…ずっと幸せだよ…」


蓮さんがあたしを好きなら…必ず蓮さんを苦しめる。

「…お前が言ったんだろ…。自分の人生は他人が決めていい事じゃない…そう言ったのはお前だろ。俺が望んでるのは…お前の傍にいる事だ……」


「…それはっ…駄目!!あたし…遅かれ早かれ…死んじゃうんだよ?それも…あと1ヶ月も無いかもしれないんだよ?」


先が無いあたし…先がある蓮さん…。

蓮さんには先がある人と…あなたを置いていかない人と一緒に歩んでいってほしい。


その隣を歩く人があたしじゃないのが悲しい。それでも蓮さんが幸せならそれでいいのに…。