ちょっと今の恐ろしい一言、聞こえなかったことにしようか。


「え?パードゥン?」


「ひよこテメェ犯されたいのかゴラ!」


怖っ!この人何を犯すつもり!?私、味噌汁の具剤にされちまう。


「忘れるなよ。これが生徒会合宿だということを……じゃあ、後程」


それだけ言うと、その細長い足をキビキビ動かして指定された部屋に優雅に去っていく皆川会長。


そのドアがパタリと閉まった瞬間、私と春風は顔を見合わせた。


「ねえ、嫌な予感しかしないんだけど」


「俺も。……ここから生きて帰れる、かな?」


天井の広いこの空間に、私達の渇いた声が良く響く。しかし、地獄の合宿は幕を開けたばかりなのだ。