そして、いよいよ来て欲しくなかった『ブロウズ・フェスタ』当日。
「いや、なんで見に来てんの?彼女まで連れてさ。ムカつくんだけど。シメられたいの?」
「うわー、これでも一応心配して来たのに、酷くね?まあ頑張らないで。他の選手死んじゃうから」
校庭の一角、紺色の体操ズボンと白の体操着、真ん中には石葉とどでかく書かれたゼッケンをつけた私と、観戦にやって来た影兄とその彼女さん。
一年くらい猛アタックして、最近ようやく付き合い始めたらしいが、なんだ、見せびらかしに来たのか?シメるぞコラ。
「忠告承りましたー。虫の息くらいに止めるわ」
私は背中越しに影兄達に手を振ると、右肩をぐりんぐりんと回し、自分の分けられたブロックに行く。