物凄いスピードで壇上に上がり、その野球ボールをキャッチし、全力で投げ返したのは……そりゃ、私に決まってんじゃん?


「ごっほぉ!」


「お、ナイスピッチングじゃねぇの」


それを黙って眺めていた皆川会長は、皇帝閣下モードの不適な笑みを浮かべながら、私のピッチングを賞賛した。


そのナイスピッチングなボールは投げた張本人にクリーンヒットして、更に体育館がざわつく。


「挨拶に水差すなや、新入生!テメェの顔イケメンに変えんのは、私だよ!」


「おーおー、今日は血の気が多いこって」


ドヤ、と笑う私に、会長もドS全開に微笑む。そして皇帝閣下殿は、去年同様難しい言葉の並んだ祝辞を教壇に叩き付けて、マイクを握り締めた。


《堅苦しい挨拶は止めとこう!数少ない血の気の多いルーキー共!俺がこの学校のドンだ!倒したきゃ這い上がれ!まぁ、返り討ちにして、イケメンに整形しなおしてやんよ!》


あー、やっぱり去年のデジャヴ?まぁ、いいんじゃね?今年も楽しんでやるよ!高校生活を!



【To be continue】