「ずっともやもやしてたこの気持ちに俺様気付いたからには、正々堂々、春風と取り合ってやる。覚悟しろよ?」


そう言って私の頭をガシガシ撫でる皇帝閣下は、今日はすこぶるご機嫌だ。


「まあ、春風に負ける気なんかしねぇけど?」


「この間山で負けたくせに」


私の返事に、皆川会長はまた少年みたいに顔をくしゃりと崩して笑い、私にデコピンをかます。


そのデコピンは破壊的に痛くて、頭割れそうでまるで可愛くない代物なんだが。


「ひよこ、放課後、生徒会室でパーティーだ!」


「え、パーティー?」


「ああ……バレンタインパーティーだ」


バレンタインにパーティーって、マジわけわかんないけど……いいじゃん、楽しんでやろうじゃんよ!