「まーまー、壮平もひよこも忙しいからってカリカリしない。ほい、これでも飲め飲め、な?」


見兼ねたアッキー先輩が得意の紅茶攻撃。お決まりのパターンだ。こんなちょっと良い香りの上手い茶を出されたぐらいでイライラがなくなるか。


「今日のはニルギリか。良い香りだな。秋仁の紅茶はいつだってマーベラスだ」


なんて感想を述べて優雅に脚を組み換え、紅茶を口に含む皆川会長は、今日も絶好調に美しい皇帝閣下っぷりだ。


それが悔しくて、私も煎れてもらった紅茶を飲む。


「…………アッキー先輩」


「ん?どうした、ひよこ」


「こっ…………紅茶は、世界を救う」


アッキー先輩の煎れる紅茶はきっと、世界中から戦争をなくすだろうと思うくらいに、美味い。私の怒りは一瞬にして消え去ってしまった。