元旦。新年朝一番、私のうちの前にはお馴染みの面子。少し違うのは、皆川会長の風貌。
「会長、アシメじゃなくなってんじゃん。結構似合ってたのに」
「あ?ああ、受験写真用に少しな。また伸びたら戻すからしばらくの間だけだ」
艶やかかつ、さらさらの黒髪はトップは長めだが、左右対象に揃えられ、ツーブロックに刈られている。
イケメンだから何でも似合うよな。しかし、皆川会長本人もアシメ気に入ってたしあれが似合ってたからもったいない気もする。
「マイナーチェンジですね、皆川先輩」
「そういう春風もじゃね?」
春風は昨日、おじさんが仕事で不在で、一人だったからうちで新年を過ごし、新年になった記念に褪せたピンクのメッシュを切り落とし、黒髪少年に戻った。
「そろそろ不良に馴染まなくても大丈夫かなって」
今や生徒会の活動のおかげで、一、二年の半数は不良、と言うよりは、ちょっと派手くらいに落ち着いたもんだ。だから不良社会に馴染む必要性も確かにない。