早速皆川会長に電話をかけると、4コール目で出る。


「もっしー皆川会長。あけおめことよろー」


《あん?フライング過ぎだ。時計も読めないのかよアホ》


電話先の皆川会長はふてぶてしくバリトンの美声を響かせる。絶好調で頭に来るが、ここはナイチンゲールになった気持ちで、心を広く、許してやろう。


「会長、明日8時うちの前にアッキー先輩とあおちゃん連れて集合ね。じゃ。さいならー」


《あん?な……》


皆川会長が何かを言う前に一方的に通話終了にし、携帯を投げると春風がテレビじゃなくて私を見て笑っていた。


「何、その笑い。腹立つわー」


「いやぁ、その誘い方なら、皆川会長は絶対断れないね。そうじゃなくてもひーちゃんの誘いは断らないだろうけど」


そうだろうな。返事聞かずに切ったし。それの何が面白い?だいたい、私の誘いでも断る時は断るだろう。


「春風、タイキーック」


「げげ!やだよ、ひーちゃんにタイキックされたら尻が二つじゃなくなるよ」


あー、今年は、バタバタとあっという間に過ぎてったな。退屈しねぇわ。