別荘に帰ると、半べそかいたあおちゃんが、私に飛び付いてくる。
「イテテテ……あおちゃん、力加減しろ。折れる。マジで折れ……イテテテ」
「知らない!ブァカひよこ!折れちゃえ!心配したんだからぁ!」
このバカ力に比例する位私と春風は心配をかけてしまっていたらしい。
「うん、私は馬鹿だ。浮かれてた。心配かけてごめん。ごめんね」
あおちゃんのふわっふわな頭を撫でてやると、猫のように頬擦りしてくる。
「葵、ひよこから離れろ。暑苦しい」
「やだ!例え壮ちゃんのお願いでも、暫く離れない!俺だって心配だったんだから!」
ホント、つくづく愛されてんな、私と春風は。そのことが当たり前過ぎたから、今まで気付けなかったんだ。