私達は皆川会長の、本家より数倍豪勢な別荘に荷物を置き、ラウンジでお茶をする。


「んんんー!壮ちゃんとこの別荘はいいねえ、おっしゃんてぃー!」


「葵、変な言葉を使うな。意味不明だ」


トロピカルアイスに舌鼓を打ちながら微笑むあおちゃんに、言葉は冷たいながら甘やかしてる皆川会長。


いつもの光景だが、ハワイの別荘ってだけでキラキラ感5割増し。イケメンにハワイとか最強ロケーションだろ。


「まぁ、うちもそうだけど、壮平ん家も本家は質素なもんだからなー」


「質素って言ったって、お前んちは特殊だろ。兄弟各々に2LDKの一軒家与えて、飯だけ飯用のレストランコート作って母親が自炊だしな」


「やだな壮平。それ始まったの俺が中3の時からで、それまでは一軒家に皆で住んでたじゃん。フツーのやつに」


……着いていけん。全く、ボンボン達の会話に着いていけん。


春風も私と同じらしく、あんぐりと口を開いて聞いている。