「だから……お前は、冬休みは予定はあるかと聞いたんだ 」


「え……まだないけど。またトレーニング漬けとか言うなら断る!行くもんか!」


冬休みこそ、エンジョイすんだよ。皆川会長なんぞに邪魔されてたまるかい!


でも、私の予想とは裏腹の答えが皆川会長から返ってくる。


「違うっつうの、バーカ……じゃあ、強制連行な。パスポートを探しておけ。ないなら冬休み始まるまでに作れよ」


え、え、ええええ!どゆこと!?強制連行?パスポート?話が全く読めん。


皆川会長は珍しく少年っぽくふっと笑うと、更にこう告げた。


「お前は公務を頑張っているから特別に、海外の別荘に招待する。お前だけだ」


近寄ってきた皆川会長は、私の冷えた鼻を指先でちょん、と触りまた笑った。


な、なんだ今日の会長は!なんだか、甘口で調子狂う。