すっかり暗くなった道を、皆川会長と二人で歩く。冬は日が落ちるのが早いから1日があっという間に過ぎる気がする。
「あー、早いもんで二学期も終わるな。あんたらのせいであっという間だっつうの」
「フン、嬉しいんだろ、もっと素直に感謝しな」
誰が感謝するか。振り回されっぱなしだっつうのによ。少しは私をいたわれ。
まぁ、全く楽しくないってわけじゃないし、最悪とは言わないがな。
「ところで、ひよこは………………か?」
「え?声が小さくて聞こえないんだけど。何だって?」
皆川会長は立ち止まり、バーバリーのオフホワイト貴重のチェックのマフラーに口を埋め、街灯の下に立っている。
同じく、バーバリーのコートのポケットに手を突っ込み、目線は地面、鼻の頭は寒さで赤くなっていて、この人もまだまだ少年なんだな、なんて思ってみたり。