「おい頭凡人共、サボってねえで鍛えろ」


「うるせぇよ頭非凡スパークリングお坊っちゃま!私は今、てめぇが忘れかけてる学生の本分全うしてんだよ。ほっとけ!」


「そーだそーだー。壮平には勉強の辛さが分からないんだー」


私とアッキー先輩が答えると、会長はフン、と鼻で笑い、その異様に長い脚で足音ひとつ立てずにやって来る。


ちっくしょう。上品に歩きやがって。糞綺麗だな。何なんだよ。


なんて思ってるうちに、皆川会長は音もなく私の至近距離に。


皆川会長は遠くから見ても近くから見ても完璧な造形だ。くっそ、弄る箇所がないとかムカつく。


そして、高慢知己な美しい笑みを携えて、バリトンの声を何かの楽器を弾くかのように言い放つ。