アッキー先輩は、その短い赤茶色の短髪をガシガシと掻きむしる。


「壮平め……今回はあいつが悪いけど、んー、あいつ、自分からってのが、お初、だからな……もーっ!世話が焼けるなぁ」


「はん?アッキー先輩声が小さい。なんて?」


ぶつくさと呟くアッキー先輩の声は、回りのガヤガヤ音に掻き消されて私には届かない。


「いや、なんでもねえよ。……それより、お前は謝られたい?どうして欲しい?」


「……いや、謝られてもファーストキスは返って来ないし、別に怒ってないし。んー、お詫びにうまいもん食わしてくれるなら別有り難くって感じ?」


私の答えに、アッキー先輩は苦笑い。これは、どういう心境の表情なのだろうか。