辺りを見回すと、やはり式に参加している新入生、在校生の殆どが会長を狙っている。


しかし、皆川会長はその野獣達の香りをものともせず、紙を開く。


……けれど、その紙の丁寧な挨拶の文章は、一文字たりとも読まれることなく、勢い良く教卓に叩きつけられた。


先生や父兄がざわつく。正直、今更驚くこともないんじゃね、とは思うけど、皆川壮平は見た目は不良じゃないから、そんなことするとは思えなかったのかもしれない。


皆川壮平は、三ヶ月前私に見せた爽やかな笑顔とは違う、自信に満ちた、威圧的な顔でニヤリと笑った。


《悪ぶってる在校生、新入生、俺がこの学校のドンだ。覚えとけ。会長に就任したから、卒業までの二年間で、この学校の腐った部分を調教してやる。覚悟して学校生活送れよ?以上だ》


これが皆川壮平会長の本性……あの爽やかさはどこへやら。