入学式は、やはり人もあまり来てない。生徒も親も、とにかく体育館はぽつりぽつりと穴が空いている


どうせ休みの奴が多いのだろう。いても寝てる奴ばっか。まあダルいっつうのには共感出来るし。


ガリガリハゲの校長の話を糞真面目に聞く気にもならない。とにかく私は沸々と怒りが腹の底から煮えたぎっていた。


《次は、在校生代表、生徒会長、二年一組、皆川壮平君です》


そして、私の怒りの原因の胡散臭い爽やか笑顔の会長が、颯爽と現れる。


あいつの姿が壇上に現れた瞬間、会場の空気がピリピリし始める。変わった感じが伝わる。


まるで、野生動物の巣窟みたいだ、ここは。全員が、皆川壮平を狙うハイエナみたいに、野獣の香りを漂わせている。