「この学校はカスばっかりか。頭イテー」


「うーわっ!ブラック度増してる。口悪ー。あはは」


春風の囁きに私は肘で一発鳩尾にプレゼントでお返しし、さっさと教室へ歩き出す。


「ぐほっ……ジムで鍛えた強さも健在だ。いくら可愛くてもひーちゃんとは付き合えないや」


「よく言われる、ので、とりあえず見逃してやろうか」


よろよろとついて来る春風に気を遣うでもなくスタスタ教室まで歩くと、そこにはもう数人生徒がいた。


「わーお。顔面荒れた女子ばっか。男子もイキがってヤンキーデビューしました的な感じ。これは何パラダイス?ツッコミパラダイス?」


「ちょっと、ひーちゃん本音だだ漏れだから。蓋で抑える気もないから」


春風に制されるけど、怖いものなしの私は躊躇うことなく教室に踏み込んだ。