春風の相手はゴリッゴリゴリのガチムキゴリさんって感じの大男。


「やーい春風、負けたら死ぬぞー」


「いや、見りゃ分かるから!笑えないからねこの体格差!」


私が野次を飛ばすと、春風は苦笑いでそれを返す。


そうしてる間に、体育委員長とやらが走る時のあのピストルをパン、と鳴らす。


どうやらそれがスタートらしく、ゴリさん(仮)が春風に突進してきた。


だけど、あんなに怖がっていた春風はやけに冷静で、すっと顔が戦う顔に引き締まる。そして……。


「……ほぉ。やるじゃねえの?」


皆川会長が高慢な顔どころか、優しくては美しく微笑み感心するくらい、春風は素早くその巨体の右横に避けると、肘打ちを横腹にクリーンヒットさせた。