さて、そろそろ私も仕掛けるか。早く終わらして花火もしたいしな。


物凄いスピードでキレのあるパンチを繰り出す春風。その全てを避けて受け流し、春風の隙を探す。


リーチの長い春風は、スパーリングの相手をしていた時も思ったが脇が甘い。


幼なじみのよしみだからな。折れない程度に攻撃してやらなきゃな。


「今日の春風、78点」


春風渾身のストレートを避け、脇に回し蹴りをお見舞いすると、春風は痛みで殺虫剤を撒かれたゴキブリみたいに悶絶しだす。足の動きがそれ。マジで殺虫剤撒くぞキメェ。


「陽菜子の圧勝だね。春風も悪くなかったけどなー」


龍兄は相変わらず、穏やかに笑ってい終了のゴングを鳴らした。