・・・やっと決まって先生に報告をしに行った。
「先生ー決まりましたよー」
「おぉ。さすが学級委員長」
「もっと褒めて下さいよぉ~」
あたしは冗談半分に笑いながら言う。
「ははは。中々おもしろいな~」
先生は「お疲れ様。これないしょな」って言って板チョコをくれた。
「いいんですか!?」
「あぁ」
やったー!大好きな板チョコゲット!
「ありがとうございます!」
あたしは深くお辞儀をして走って教室に向かった。
そしたら、さゆりが「さえ~」って近づいてきた。
「ねーねー!ちょっとついてきて!」
「うん!」
さゆりはあたしの腕を引っ張って階段を上がっていく。
「2年生?」
「うん!うちの好きな人に会いに行くの」
「えっ!いるの!?」
「まぁ~ね」
どんな人なんだろう。
あたしはワクワクしてた。
さゆりが「ここだよ」って言ってドアを開けた。
「いたぁ~」
小さく呟いたさゆりを見ると嬉しそうに笑ってた。
よっぽど好きなんだなぁ。
「どこ?」
「ん?あの窓にいる右側の人」
・・あれかな?
「あのー金髪?」
「うん!」
すごい・・・さゆりのタイプだ。
「見れただけで十分!帰ろっか」
さゆりはあたしに視線を戻しニコッと笑った。

あたしは・・・このころは気にもしてなかった。
遠くからしか見えなかった茶髪の男の人の事を。