【智Ver】
さえが急に走り出した。
俺の見間違いかな。
いや。
あれは絶対泣いてた。
さえ・・?
俺がさえを追いかけようとしてたら部員の拓真に腕を掴まれた。
「拓真?」
「部長それでも男っすか!?部長、さえの気持ちわかってるんじゃないんですか!?」
いつも笑顔の拓真が・・・今日は違う。
「部長。俺、さえのこと本気で好きっすよ。部長がさえのこと好きじゃないんだったら追いかけないで下さい」
正直言う言葉もなかった。
俺はどうしたらいい?
俺はその場にしゃがんだ。
「さえ・・・ごめんな」
届かなくてもいい。
俺は未だに怖いよ。
待っててくれ。
さえ。